━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Summer School in Astronomy & Astrophysics 2009 2009年度 第39回 天文天体物理若手夏の学校 Circular Vol.3 2009.05.25 http://www.astro-wakate.org/ss2009/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ -------------------------------------------------------------- ・内容 1. 時間割について 2. 分科会の御案内 3. シングルセッションの御案内 ============================================================== 1. 時間割について ============================================================== 2009年度夏の学校の時間割は下記アドレスよりご覧ください。   http://www.astro-wakate.org/ss2009/schedule.html 分科会は 3つ同時に行います。 ポスター発表はポスターセッションでまとめて行います。 ============================================================== 2. 分科会の御案内 ==============================================================  2009年度 夏の学校で開催される分科会のご案内です。 -------------------------------------------------- 宇宙線分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ 『multi-messenger astronomy』 ○座長  青井 順一 (京都大学 D2)  中山 幸一 (東京大学 M2)  福岡 亮輔 (京都大学 M2) ○招待講師  中森 健之 氏 (東工大学)  山崎 了  氏 (広島大学)  未定1名 ○問い合わせ先  ss09_utyuusen@ml.rikkyo.ac.jp ○内容  天文学は多波長観測によって発展してきたが、今後はこれに加えて様々な粒子を 観測する事によって研究を進めるmulti-messenger astronomyが重要になってくる 。進行・計画中の観測プロジェクトとして、ハドロン(Auger, Telescope Array, JEM-EUSO)、 X・γ線(すざく,Chandra,Fermi,H.E.S.S)、ニュートリノ(IceCube, ANTARES,KM3NeT)、ダークマター候補粒子(XENON,ZEPLIN)、重力波 (TAMA300,LIGO,Virgo)等がある。これらの観測を組み合わせる事で銀河系内では超 新星残骸、パルサー、マイクロクェーサー等、系外では活動銀河核、γ線バースト 、銀河団衝突等の天体現象が明らかにされる事が期待されている。 宇宙線分科会では、このように分野の枠に囚われない幅広い観測、及び理論的側面 から高エネルギー天体・現象の真実に迫る。 -------------------------------------------------- 観測機器分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ  「天文学の要請と観測機器の進歩」 ○座長  大石 慧介  (名古屋大学A研 M2)  高橋 慶在  (京都大学宇宙線研究室 M2)  藤永 貴久  (宇宙科学研究本部/東京工業大学 M2)  古間木 翔太 (京都大学宇宙物理研究室 M2) ○招待講師  高橋 忠幸 氏 (宇宙航空研究開発機構)  南谷 哲宏 氏 (北海道大学) ○問い合わせ先  ss09_kansoku@ml.rikkyo.ac.jp ○内容  歴史において、観測機器の発展により予想もされなかった現象が発見される事で 新たな理論が展開されたり、反対に理論的に示唆されている現象が新しい観測機器 の登場により証明される事で天文学は今日まで発展を続けてきた。現在天文学は地 上から宇宙空間までさまざまな環境で、様々なエネルギーの電磁波、宇宙線を観測 することにより総合的に天体現象を理解し新たな理解を与えている。また、近年で は、ニュートリノや重力波など新たな手法を用いることによって全く新しい研究の 開拓がなされようとしている。このような新たな研究の開拓に観測機器の進歩は欠 かせないものとなっている。 本分科会が、このような最新の観測機器の進歩をそれに対する天文学からの要請 も含めて議論し、理解を深めあう事で、今後の研究に何らかの発展を与えるような 場になればと思う。 -------------------------------------------------- 銀河・銀河団分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ 「銀河の歴史がまた1ぺージ」 ○座長  大木 平  (北海道大学)  先本 清志 (広島大学)  高瀬 一喜 (東京大学)  矢部 清人 (京都大学) ○招待講師  左近 樹  氏 (東京大学)  岡本 崇  氏 (筑波大学)  秋山 正幸 氏 (東北大学) ○問い合わせ先  ss09_ginga@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 地上の10m級望遠鏡や多波長にわたる天文衛星の登場により 様々な新しい観測結果 がもたらされ、我々の銀河・銀河団に関する 理解は飛躍的な進歩を遂げました。 これらの観測と互いに刺激し合う様に理論的な研究も、 観測結果を理論的モデル で説明し、更なる詳細な観測結果がモデルに フィードバックを与えるという形で 発展してきました。 今、銀河研究は新たな節目を迎えようとしています。地上ではALMAやTMTなど、 宇 宙ではJWSTやAstro-H、 SPICAなど多波長を網羅し、 従来の装置より遥かに高い能 力を有する観測装置の開発計画が進みつつあります。 また、理論分野に置いても 次世代の観測技術によってもたらされる銀河の豊富な情報を 見据えながら、観測 との直接比較に向けた先進的な研究も行われて来ています。 本分科会ではこの来 るべき新たな時代に備え、観測・理論両方の側面から銀河研究について見つめ直 したいと考えています。 -------------------------------------------------- コンパクトオブジェクト分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ 『ようこそ、コンパクトオブジェクトの世界へ!!』 ○座長  大川 博督 (京都大学 D1) 久徳 浩太郎 (京都大学 D1) 神谷 保臣 (東京大学 M2) 小山 翔子 (東京大学 M2) 花畑 義隆 (広島大学 M2) ○招待講師  高橋 弘充 氏 (広島大学)  冨永 望  氏 (国立天文台)  永井 洋  氏 (国立天文台) ○問い合わせ先  ss09_compact@ml.rikkyo.ac.jp ○内容  ここ数十年間における観測技術の進歩や大規模計算可能な計算機の開発により、 コンパクトオブジェクトの研究は観測面、理論面ともにめざましく発展してきて います。 しかし、例えば超新星爆発やガンマ線バーストなどの高エネルギー現象、ジェッ トや降着円盤からの非熱放射、中性子星、ブラックホールといった高密度天体など、 研究対象は非常に多岐にわたっており、コンパクトオブジェクトには未だに様々な 謎が詰まっています。 そこで、今回のコンパクトオブジェクト分科会では、「ようこそ、コンパクトオ ブジェクトの世界へ!!」と題して、コンパクトオブジェクトの研究とはどのよう なものであり、どのような面白さがあるのか、また現在どのような問題が残されて いるのかといったことを知っていただき、私達が今後どのように研究に取り組んで いくべきか議論できる場にしたいと思います。 --------------------------------------------------    星間現象分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ  星間現象の最前線 ○座長 劉 周強   京都大学宇宙線 満野 陽介  大阪大学宇宙進化グループ 原 知彰   名古屋大学A研 竹腰 達哉  北海道大学 ○招待講師  山口 弘悦 氏 (理化学研究所)  井上 剛志 氏 (国立天文台)  川邊 良平 氏 (国立天文台野辺山観測所所長) ○問い合わせ先  ss09_seikan@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 星間空間には原子ガス、分子ガス、ダスト、電離ガス、高温プラズマなど様々な種 類と状態の物質が存在している。これらの物質は電磁場と重力場に介在し、輻射、 対流、乱流などの多様な物理過程のなかで、星生成や超新星爆発といった多彩・壮 大な星間現象を展開している。ところで、これらの複雑な現象にはまだまだ理解さ れていない部分が多く残っている。 星間現象の解明には、現在、銀河系内を中心に電波、赤外線からX線、ガンマ線に いたる幅広いエネルギーの電磁波による観測研究が行われている。また、星間物質 の物理的、化学的な性質とその進化を予測するため、数値計算やシミュレーション などによる理論研究も活発に行われている。 このように星間現象は観測と理論の両面から研究がなされているActiveな分野であ り、その現状を知ることが今後における天文学全般の研究には欠かせない。本分科 会は、今第一線で活躍している研究者を招待し、最新の星間現象の研究成果が紹介 される。また、皆が知識と人脈の交流の場として大いに役立てられることを期待す る。 --------------------------------------------------   相対論・宇宙論分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ  誉れ高き「非常識」 ○座長  八木 絢外(京都大学天体核 D1)  阿部 博之(大阪市立大学 D1)  岡村 雅普(東北大学 M2)  木許 はるみ(名古屋大学CG研 M2)  佐藤 正典(名古屋大学A研 M2) ○招待講師  羽澄 昌史 氏 (KEK)  辻川 信二 氏 (東京理科大学)  真貝 寿明 氏 (大阪工業大) ○問い合わせ先  ss09_soutai@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 空を見上げると、太陽が天空上を動いていく。地球の周りを太陽が廻っている。至 って普通の感覚である。しかし、コペルニクスは地球の方が太陽の周りを廻ってい るのだと提唱した。また、アインシュタインは光速は誰から見ても一定で、その代 わり高速で動くと時間が遅れるのだと主張した。どちらも常識的に考えれば信じが たい、「非常識」な提案である。しかし、この発想の転換こそが、物理学に偉大な る進展をもたらした。 現在の宇宙物理学における大きな未解決問題として、ダークマター・ダークエネル ギーの正体は何なのか?インフレーションは何が原因でどのように起こったのか?と いったものがある。さらに、現在知られている4つの力全てを統一する理論を確立 させることは素粒子物理学における最大の未解決問題であろう。これらの問題を解 決するには、コペルニクスやアインシュタインをも凌ぐ「非常識さ」が必要なのか もしれない。どんなに「非常識」と思えることでも、論理に穴が無く現在の実験お よび観測に矛盾しなければ、それは立派に現実世界を記述する可能性を秘めている。 将来の物理学界を担う若者に、言いたい事を自由に発言しながらそのような発想力 を培っていける場を提供したい。そのためには、多くの人と交流し活発な議論を交 わすことが重要であると考える。招待講師の方々の講演等を通して、本研究会が良 い意味で「非常識」な若者を育てるきっかけになれば幸いである。 --------------------------------------------------    太陽・恒星分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ 飽くなき探求、知識への近道 ○座長 阿南 徹  (京都大学 M2) 羽田 裕子 (日本大学 M2) 坂根 悠介 (九州大学 M2) 渡邉 皓子 (京都大学 D1) ○招待講師  関井 隆 氏 (国立天文台)  板良 房 氏 (国立天文台) ○問い合わせ先  ss09_kousei@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 今年度の太陽・恒星分科会では、太陽と恒星という異分野の知識共有を目指します。 もちろん太陽も恒星の一つですので、この二つの分野を異分野と呼ぶのは、正しく ないのかもしれません。しかし実際には、太陽分野と恒星分野はデータの取得、解 析方法、ターミノロジーが大きく異なり、お互いに議論をかわすことはあまりありま せん。最近の太陽観測衛星ひのでの成果、続々と開発される宇宙望遠鏡などの成果が 出揃い始めて来た今日、次のステップは全ての知識の集結です。そこで次回の夏の学 校では、特に既存知識、ターミノロジーの壁を取り払うことに力を注ぎ、議論の共有 ができるように取りはかろうと思っています。それこそが知識への近道であり、今後 の研究の進展に大きな飛躍をもたらすものであると信じています。 --------------------------------------------------     惑星系分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ  地球型惑星発見へのロードマップ ○座長  北村 美佐絵  (東北大学 M2)  中島 亜紗美 (名古屋大学 M2)  平野 照幸   (東京大学 M2) ○招待講師  成田憲保 氏 (国立天文台)  生駒大洋 氏 (東京工業大学) ○問い合わせ先  ss09_wakusei@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 惑星科学は最も古くから行われている学問の1 つです。系外惑星の発見までは 太陽系が我々の知る唯一の惑星系の姿でしたが、系外惑星の発見により惑星系研 究は新たな局面を迎え、その多様性から惑星系研究は飛躍的に進歩しました。  太陽系内の天体はこれまで打ち上げられた多くの探査機によって次第にその詳 細まで明らかになってきています。また隕石などの研究によってダスト形成さら には太陽系の起源について探る動きもあります。  一方系外惑星の研究に関しては、観測面では観測装置の技術は日々進歩してお り、地上からの観測・大気圏外からの観測双方で野心的なプロジェクトが進行中 です。また理論的には、系外惑星の発見によって惑星形成理論に大きな修正を迫 られて以降徐々に理論的な枠組みが形成され、観測結果を統計的に扱って議論す る段階に達しつつあります。同時に星間ガスや原始惑星系円盤に関する理解が深 まってきたことも事実です。  本分科会では、このように急速に発展しつつある惑星系研究に関して各研究機関 ごとに独立に保有している知識を共有し、活発に議論することによってお互いの理 解を深めるとともに、現在の惑星系研究が抱える問題点を明確に認識し今後の研究 に役立てたいと考えます。 ============================================================== 3. シングルセッションの御案内 ============================================================== --------------------------------------------------     天文学と社会&天文学の舞台裏分科会 -------------------------------------------------- ○テーマ 天文学と古代社会 ○座長 岩切 渉   (埼玉大学 M2) 古賀 健祐  (東北大学 M2) 斉藤 秀樹  (大阪教育大学 M1) 野口 和久  (愛媛大学 M2) 野々川 博晃 (筑波大学 M2) 渡辺 謙仁  (大阪教育大学 M2) ○招待講師  桜井 邦朋 氏 ○問い合わせ先  ss09_single@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 今年の天文学と社会&天文学の舞台裏分科会では、「古天文学」に焦点をあててみた いと考えています。「古天文学」とは聞き慣れない言葉でありますが、過去の人間達が 天体現象をどのようにとらえ感じていたかを考える考古学、民俗学的学問であります。 エジプトのピラミッド、イギリスのストーンヘンジ、日本でも飛鳥地方に残る酒船石な どの世界に残る多くの古代遺跡は太陽や月の運行、つまり天文学に関連して作られて いると考えられています。このような「古天文学」に詳しい方を招待講師として講演し ていただき古代社会と天文学がどのようなつながりにあったのかを考え、古天文学を現 代の天文学と比較することにより現代社会における天文学の立ち位置を考えられれば と思います。 --------------------------------------------------     公募企画 -------------------------------------------------- ○テーマ 天文学におけるコンピューターシミュレーションの広がり ○座長 村主 崇行 (京都大学 天体核研究室 D2) 江口 智士 (京都大学 宇宙物理学研究室 D2) 大平 豊  (大阪大学 宇宙進化グループ D3) 富田 賢吾 (総合研究大学院大学 D1) 武藤 恭之 (京都大学 天体核研究室 D3) ○招待講師  柴田 大 氏 (京都大学基礎物理学研究所教授)  犬塚 修一郎 氏(名古屋大学理学部教授) ○問い合わせ先  ss09_simulation@ml.rikkyo.ac.jp ○内容 これから天文学者・天体物理学者としてのキャリアを始めようとしている私たち若者にと って、 コンピューターを使いこなすことがますます重要になってきています。 特に、観 測機器とコンピューターの高性能化が共に進んだので、 高分解能の観測結果とシミュレー ション結果が比較できるような局面に次々に出会うようになりました。 一例を挙げれば、 すばるの最新の観測装置を用いて撮像された原始惑星系円盤の画像と、 最先端の技術を用 いた円盤のシミュレーションによって得られる画像を比較する研究などが報告されています。 観測・シミュレーション技術は日々進歩しており、今後、天文学において、 シミュレー ションは理論と観測の繋ぎ手としてさらに大きな役割を担うようになるでしょう。 一方、いままで、多くの人が数値計算を始めようとしても、 プログラミングを勉強するコ ストに悩まされてきたと思います。 しかし、MHD計算や輻射輸送計算に対応したライブラリ が整備され、 大規模並列計算を支援するスキームが登場するなど、その障壁は急速に下が りつつあり、 その向こうには広大なる未開拓の分野があるのです。 そこで私たち若手でも、観測や理論の研究をメインにしている人が、 シミュレーションを より有効利用できるようになればと、このセッションを企画しました。 このセッションで は、 以下の二人の数値計算のプロフェショナルを招待講師としてお招きし、 数値計算の基 礎から数値計算を行なう場合に注意すべき点、 また数値計算に関係した論文を読む上で気 をつけるべき点などについてお話ししていただく予定です。 一般相対論や宇宙論に関係す る分野の方から観測的研究を中心に行なっている方まで、 誰にとっても有意義なセッショ ンとなれば幸いです。 -------------------------------------------------------------- ============================================================== 第39回天文天体物理若手夏の学校 事務局 Web :http://www.astro-wakate.org/ss2009/ Mail:ss09_info@ml.rikkyo.ac.jp 電話:03-5841-8787 FAX :03-5841-7638 〒113-0033 東京都文京区本郷      東京大学大学院理学系研究科 附属ビッグバン宇宙国際研究センター 事務局長  鎌田 耕平 副事務局長 高橋 走           広報係 飯田 佑輔 ==============================================================